2014年制作(絶版)
ゲームデザイン、イラスト/翠丸
両者共有の山札を使い、攻撃側と回避側に分かれての非対称型・対戦ゲーム。
複数あるフェイズに、手札からカードを割り振ることで行動を決めますが、使うカードはどのフェイズで使うかで性能が変わります。
8×8のマップ上で、魔女(攻撃側)は怪盗に攻撃を当てるべく、追跡し追い詰め、できるだけ広範囲な攻撃を発動していきます。
怪盗(防御側)は魔女の猛攻から逃れるべく、距離を空け、攻撃を予想し、回避行動を取っていきます。
魔女は怪盗を倒して捕縛できるか?
怪盗は魔女を振り切り逃げ切ることができるか?
ゲーム概要は後回しにして、このゲームの核となるシステムを紹介します。
それがプロット(行動構築)です。
「手札を振り分けて、そのターンの行動を決定する」
わけですが、それは順を追って説明いきます。
まずは手札カードを見てみましょう。
1枚のカードには
[移動][反応][攻撃][回避][特殊効果]
の5つのステータスが書いてあります。
が、1枚のカードで使うのはこの5つの中の1つだけです。
また、同じカードでも魔女側が使う場合と怪盗側が使う場合で使うステータスが一部異なります。
ゲーム中はこの手札カードを、ゲーム進行に対応した4つのフェイズカードの手前側に配置します。(下図)
(※ゲーム内では伏せて置き、その後順に公開していきますが、説明の都合上で表向きに置いてます。また対戦する2人のプレイヤーは向かい合っているので、本来はそれぞれの手前側に置きます)
各フェイズに置いたカードは、そのフェイズに対応したステータスのみが適応されます。
つまり、左の例だと
[移動]2
[反応]4
[攻撃範囲]※のような範囲
([回避]4)
[特殊効果]反応に+1
がこのターンの行動になります。
(攻撃範囲は魔女側のみ参照、回避は怪盗側のみ参照するステータスです)
例えば同じ手札でも、右図のように置いた場合は
[移動]4
[反応]1
[攻撃範囲]横長の範囲
([回避]1)
[特殊効果]移動に+2
という行動になります。
このように、同じ手札でもどう配置するかによって様々な行動パターンが選択できる、これがこのゲームの行動構築です。
ゲームの進行は、毎ターンの最初に前述の行動構築を行い、それらのカードを公開しながら行動を処理していく、という流れです。
2人のプレイヤーが担当する魔女と怪盗は、8x8マスのマップ上でプロットした行動の通り動いていきます。
前述のようにプロット(配置)したカードを、以下の順番に公開しつつ、その処理を行います。
◆移動
マップ上のマスを、移動のステータス数値分移動します。
怪盗は被弾しないよう魔女からできるだけ離れるように、魔女はそれを追いかける、あるいは逃げ道を塞ぐように移動していきます。
◆反応
両プレイヤーの反応のステータスを比較します。
数値の大きい方が、この後の[攻撃/回避]で有利になります。
◆攻撃/回避
前の反応判定フェイズの結果によって、どちらのプレイヤーから行動するかが変わります。
怪盗側の反応のステータスが高かった(怪盗有利の)場合:
魔女側が先にカードを公開します。
これにより、魔女の攻撃範囲は怪盗にばれます。
その後、怪盗が回避移動(=追加の移動)を行います。
魔女側の反応のステータスが高かった(魔女有利の)場合:
怪盗側が先にカードを公開します。
魔女の攻撃範囲が分からないまま、予想して回避移動(=追加の移動)しないといけません。
怪盗の回避移動後に魔女側のカードが公開され、攻撃範囲が判明します。
また、魔女の攻撃範囲にボーナスがつきます。
◆特殊効果
他のフェイズと違い、ここに手札を置くのは魔女のみで、置く置かないも任意に決められます。
その効果は、[移動]や[反応]の数値にプラスしたり攻撃範囲を広げたりと色々便利です。
…が、手札の消費が早くなり、山札が尽きたら負けになる魔女にとってリスクともなります。
しかし積極的に使わなければ、怪盗に攻撃を命中させるのは容易ではありません。
この一連の流れ、カードを使ったプロット(行動構築)とそれらの処理を何度も行い、
攻撃/回避フェイズで魔女が攻撃を4回(※)怪盗に当てたら魔女の勝利です。
怪盗が攻撃をのらりくらりとかわして手札カードの山札が尽きたら怪盗の勝利です。
だいたい7~8ターンくらいで勝負がつきます。
(※この回数を減らしたり増やしたりで難易度の調整ができます)
対戦相手の行動を予測しながら、手札をどこに振り分けてどのように行動するか、また温存するか。
プロットの悩ましさとうまくいったときの嬉しさを楽しんでください。